YOU ZAPPED TO ...

おきらくごくらく

『影に抱かれて眠れ』

私がほぼ毎晩歩いている街、野毛を舞台とした映画。原作は北方謙三の『抱影』。*1
公開初日の今日も桜木町から野毛を歩き、伊勢佐木モールを抜けて、映画にも出てくるホテルグランドサン横浜の目と鼻の先にある横浜シネマリンで観てきた。

毎晩僕が歩いている街が舞台。感想?聞かないでくれ。#movie #映画 #影に抱かれて眠れ

映画は野毛の都橋商店街から始まるものの、描かれる夜の世界は伊勢佐木町側ね。

普段から見慣れた横浜のくたびれた気だるい雰囲気の街が随所に出てくるので、虚構の映画を観ているというよりも、現実の世界を切り取られている感じがして面白い。
加藤雅也演じる主人公硲冬樹が住む海の見える部屋や響子と会うビーチ沿いのカフェがどこかはイメージが沸かないが)
画商役に余貴美子、主題歌「場末の天使」を担当するのはクレイジーケンバンドと、地元に関わりのある人が関わっているのが良い。

さて、映画の中身の方であるが、出演陣はなかなか良い、と思った。
特にイカレタ中井役の湘南乃風の若旦那はわかりやすい魅力があるし、響子役の中村ゆりは37歳とは思えない美しさがあるし。
残念なカップルの岩井信治役カトウシンスケ、ヒロミ役中山こころもいい感じだった。

しかしながらである、なんですかね。
原作が悪いんでしょうか、シナリオが悪いんでしょうか、演出が悪いんでしょうか、編集が悪いんでしょうか。全体的に残念な内容なんだよね。

今のところ『居眠り磐音』*2とならんで僕の中の「クソ映画オブ・ザ・イヤー」の最有力候補である。

鑑賞メモ
評価 ★☆ 1.5/5 | 2019年 9月 6日 | 横浜シネマリンにて鑑賞 | 今年50本目かな

予告編

作品データ
『影に抱かれて眠れ』
2019年 | 日本 | 108分 | 日本語 | カラー
ジャンル: ドラマ
監督: 和泉聖治
脚本: 小澤和義
キャスト: 加藤雅也中村ゆり松本利夫、カトウシンスケ、若旦那、他
オフィシャルサイト: http://kagedaka.jp/

*1:残念ながら未読。

*2:これにも中村ゆりが出演していたな・・・

『ラ』

誰もが生まれてきたときの産声は「♪ラ」であるという。

シネマ・ジャック&ベティ*1の会員更新に行って無料鑑賞券を受け取り、そのままタイミングよく30分後に上映されかつ最終日ということでたまたま観た。つまり特に期待も前情報もなく観たわけだ。

解散したバンドを再結成させたい青春音楽映画だと思わせるような形でストーリーが開始される。ポスターのむさ苦しさもあってバンド再結成を夢見てそれがかなわない若者のお話程度にしか認識していなかった。
それがそれがあれよあれよと言う間に状況が変わっていき・・・登場人物に対する印象も初期と後半ではコロコロ変わり、本当にいい意味で裏切られた。

主人公慎平の甘ちゃんぶりには腹の立つことも多く、彼周辺の黒やんやゆかりもかなりまともではないが。最終的にはすべての登場人物が愛おしく感じた。
いや、ダビデ、お前は怖くて愛おしくないわ。

結局なんだかんだで『ラ』だけの力技映画なんですけどね。

<追記> 『ラ』のスピンオフ『ソ』と『#ソ』にアクセスするためのURLつきポストカードが上映時に配布されていた。これは観た曜日によっていずれかがもらえるという仕組みだったので、『ソ』、『#ソ』両方観る為には『ラ』を劇場で最低2回観る必要があるというわけだ。 残念ながら私は『ソ』のURLしか知らない。

映画『ラ』スピンオフ『ソ』〜1年前の3人〜
youtu.be なんとアドリブとのこと。完全にキャラになりきっているわ。

※『#ソ』のURLを教えて下さい。

鑑賞メモ
評価 ★★★ 3/5 | 2019年 7月19日 | シネマ・ジャック&ベティにて鑑賞 | 今年34本目

予告編

作品データ
『ラ』
2019年 | 日本 | 120分 | 日本語 | カラー
ジャンル: 青春
監督: 高橋朋広
脚本: 高橋朋広
キャスト: 桜田通、福田麻由子笠松将清水尚弥、キンタカオ、他
オフィシャルサイト: http://movie-la.com/

『アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲』 (Iron Sky: The Coming Race)

あの名作B級映画、『アイアン・スカイ*1の続編。巨悪と戦う風刺映画。

注意:Spoler:以下映画内容に関することがかなり含まれます

前作のラストでナチを撃退するもそのまま各国間のエゴが衝突して戦争状態に突入したが*2、今回はその直後からストーリーが始まる。 全面核戦争できのこ雲が何発も立ち上がるのを見ながらホワイトハウスからヘリで!南極に向かう米国大統領、執務室でムキムキコサックダンスを踊るプーチン大統領をバックにオープニングシーン、そして

Make the Earth Great Again

爆笑。

かろうじて人類は地球を逃れ、月面裏の元ナチの基地へ避難する。そして20年後…。

前回の設定は、ナチが月面に逃れており2018年に地球侵略に来るという、それだけで十分お腹いっぱいのものだったが、今回はそこに「地球空洞説」*3と「創造主神話」が新たに加わる。
創造主の一族とは、所謂人類の殺戮に貢献した歴史上の人物たち・・・。

ヒトラーを筆頭に、

+第1作から引き続き登場し、地球を滅亡させた米国女性大統領
といった、独裁者、宗教家、IT起業家の顔ぶれ。

サッチャーになんの罪?と思ったが劇中でも「共産主義者めー!」とか叫びながら機関銃をぶっ放すので、まあ、その冷血なまでの保守政策がそれだろう。 (ケッコネンは本映画の製作国代表ということだけでおまけみたいなものだと思う)

ザッカーバーグの功(罪)はSNSを通じて世界中の人々をぱっぱらぱーにしたことらしい。

極めつけは月面でも、創造主一族の世界でも信仰されている、クラウドに坐す我らのスティーブ。クローズド・ワールドが至福だと信じるApple信者ことJobist。

他にも色々と面白い設定やパロディが存在する。例えば主人公のオビがJobistの集会場のガラスにハンマーを投げて壊すが、元ネタは有名な1984年のApple Computerマッキントッシュの広告だ。*16
スター・ウォーズ、ジェラシック・パーク、云々・・・。

さてさて、繰り返しになるが前作同様この映画はナチス残存伝説ネタを踏まえたパロディ映画だ。*17 そしてこの映画のネタのチョイスは、制作地欧州 - 特に制作国フィンランドとドイツ - ならではである。 前作でも人種に対する偏見を取り上げ*18アメリカの大統領とその選挙及び自国中心主義を笑い飛ばしていた。

ドイツやフィンランドといった欧州のリベラリズムからすれば保守独裁は最も忌むべき物であろう。戦争を引き起こすような狂信的な宗教も勿論そうである。今や政府の力をも上回り個人情報を収集するGAFAに代表される米国発の巨大IT起業家企業は常に監視の対象だ。
つまり創造主一族としてとりあげられる巨悪は現代欧州にとっての巨悪のシンボルなのである。

しかし自分たち欧州人のアイデンティティのひとつであるアブラハムの宗教の物語、アダムとイブを宇宙人が猿の進化を促進させるために関与した話とし、ノアの箱舟を、宇宙人の地球への、また地球人の月や火星への漂流の話にするのは面白いものだ。

ということで、くそバカバカしい映画(恐竜に乗ったヒトラーマトリックスばりな戦いをするんだぜ)であるのだが、個人的には好き。

そうそう、ナチスより巨悪なソ連も登場するから、最後まで席をたってはいけない。

鑑賞メモ
評価 ★★★ 3/5 | 2019年 7月19日 | TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞 | 今年33本目

予告編

作品データ
アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲』 (Iron Sky: The Coming Race)
2019年 | フィンランド、ドイツ | 93分 | 英語、ドイツ語 | カラー
ジャンル: アクション、アドベンチャー
監督: ティモ・ヴオレンソラ
脚本: ダラン・マッソン、ティモ・ブオレンソラ
キャスト: ララ・ロッシ、ウラジミール・ブルラコフ、キット・デイル、ユリア・ディーツェステファニー・ポール、他
オフィシャルサイト: : http://ironsky-gyakushu.jp/

*1:Amazon Prime会員であればPrime Videoで無料で観られる。

*2:勿論日本の宇宙船は体当たり攻撃をしていた

*3:ナチスドイツの一部はこの説を信じていたらしいし、敵方もナチは南極に秘密基地を作っているのではと疑っていたらしい

*4:ローマ帝国第3代皇帝。独裁者。

*5:モンゴル帝国初代皇帝

*6:ソ連共産党初代書記長。独裁者。2,300万人も殺戮。

*7:ウガンダ第3代大統領。軍人。人喰いは嘘らしい。

*8:英国第71代首相。鉄の女。

*9:フィンランド第8代大統領。26年も政権を担った。

*10:現ロシア大統領

*11:朝鮮労働党委員長

*12:第159代ローマ教皇。第1回十字軍の呼びかけ人

*13:アルカイーダ初代リーダー

*14:Facebook創業者

*15:Apple共同創業者

*16:Apple 1984 Super Bowl Commercial Introducing Macintosh Computer (HD)

*17:ヒトラー生存、円盤、南極、地球空洞説、聖杯伝説など

*18:黒人宇宙飛行士が白人化される。残念ながら本作品では彼は死んだことになっているが。